5 ガスの性質や単位を知ろう
ガスがどうして燃えるの?
ガスに火がついて燃えるのは、ガスの中に燃えるものがいろいろと含まれているからです。
燃えるものは、水素や一酸化炭素、メタンガスなどです。
しかし、燃えやすいガスも、それだけではやはり燃えません。
ガスが燃えるためには、もう一つ非常に大切なものが必要です。
それは酸素です。
酸素がないとガスも燃えることはできません。
そのため、宇宙にガスを持って行って、花火で火をつけようとしても火は絶対につきません。
なぜなら、宇宙には酸素がないからです。
もともと燃えやすい性質をもつガスは、空気の中の酸素と混ざり合うことによって、さらによく燃えます。
これが火がつくということなのです。
ガスコンロには、ガスと空気をよく混ぜる装置がついています。
ところで、ひとくちにガスといっても、いろいろな種類があります。
中には全く燃えないガスもあるのです。
最近、地球のオゾン層を破壊することで問題になっているフロンガスは燃えないガスで、火をつけても全然燃えないし、人間が吸い込んでも害のないガスです。
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ガスの性質と燃焼
比 重
ガスの比重とは、一般に空気の重さを 1 とした時の体積と同じ体積のガスの重さを比で表わしたもので、比重が 1 より小さいと空気より軽く、1 より大きいと空気より重いことを表します。
熱 量
[ ガスの発熱量 ]
ガスが燃える時、その成分に応じた燃焼熱が発生します。1 ㎥N( リッポウメートルノルマル )のガスが完全燃焼した時に発生する熱量を、そのガスの発熱量といい、ガスの発熱量は MJ/㎥( メガジュールリッポウメートル )の単位で表します。
参考:1 kg の水を 1℃ 上昇させるのに必要な熱量は 4.19 kJ です。
ガスの燃 焼
ガスに空気を混ぜて点火すると燃えます。
この時に発生する熱を有効に利用し、排気は屋外に出します。
例えば、天然ガスの主成分であるメタン( CH4 )を完全に燃焼させると熱が発生し、排気は屋外に出します。
メタンは空気中の酸素と化合して、二酸化炭素と水蒸気と熱を発生します。
また、物が燃えるためには次の条件が必要です。
① 燃えるもの( ガス )があること
② 空気( 酸素 )があること
③ 温度( 着火源 )があること
ガスは空気と結合して燃焼しますが、空気が多すぎても少なすぎてもうまく燃焼しません。
N:ノルマルとは常温・常圧の状態
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「インプット」と「アウトプット」
インプットとは、単位時間に消費した熱量をいいます。
アウトプットとは、インプットのうち、有効に利用された熱量をいいます。
インプット、アウトプット共に単位は kW で表示されます。
参考:1 kW = 860 kcal/h
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ろうそくの火とコンロの火、色が違うのはどうして?
ろうそくの火は赤い色、台所にあるコンロの火は青い色
同じ火なのに、どうして違う色になるのでしょうか。
それは、火の中に「すす」という炭素の粒子がどれだけ混ざっているかで色が違ってくるのです。
ろうそくの火は、すすがたくさん混ざっていて、それが高い温度に熱せられて赤く見えるのです。
コンロのようなガスの火にはすすがほとんど混ざってなく、空気もたくさん入ってよく燃えているので青く見えるのです。
温度を比べると、ろうそくの火は 1000 度位なのに、コンロの火は約 1700 度も
あります。
焚き火などの赤い火よりも、見えにくい青白い火の方が温度が高いことが多いので覚えておきましょう。
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よく使われる単位
ガスの「熱量」とは、ガスが燃えて発生する熱の量で、「発熱量」ともいいます。熱量の単位は“メガジュール( MJ )”が用いられます。
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ガスの料金表を見ると、基本料金や従量料金単価と並んで 1ヵ月の使用量が表示されています。
その使用量の単位として書かれている ㎥ がどんな意味か知っていますか?
㎥ とは立方メートルであり、漢字では立米( りゅうべい )と表記されます。
面積を表す ㎡( 平方メートル 漢字では平米( へいべい )と表記されます )が平面を求めるのに対し、こちらは高さを加えた 1m × 1m × 1m の容積です。
都市ガスの圧力の単位は、キロパスカル( kPa )が用いられてます。
都市ガスが正常に燃焼するためには、機器の入り口でガスに一定の圧力が必要です。
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